スポーツマンNo.1決定戦

1993年開催の「スポーツマンNo.1選手権」から約1年。大会名を「スポーツマンNo.1決定戦」に改めて7ジャンルから総勢16人のトップアスリートが集結。闘いの場としてパルテノン神殿をモチーフとした「TOKYO BAY COLOSSEUM」が誕生。「伝説のコロッセオ」と呼ばれるようになる。

第1種目はTHE BAMBA。清原和博は準決勝。400kgの丸太をゴールに運んだ際に足をつってしまいながらも先着。当初、テレビ番組だからと軽く挑んでいた清原に『適当にできへんコレ』と言わせると決勝での丸太は600kgに増量。佐々木誠が1分以上かけて先着。大会初のNo.1となった。

第2種目はPOWER FORCE。清原は準決勝で広沢克己と対戦。マットを掴みながら2分以上にも及ぶ長期戦を制したのは広沢だった。決勝の相手は1回戦で佐竹雅昭に勝利した内藤尚行。圧倒的強さで決勝も制して、この種目のNo.1に。

HORSE BOX。前回最高記録の13段＋10cm(実質14段相当)を6人がクリア。電話ボックスの高さを上回る15段をクリアしたのは初挑戦の飯田哲也と小倉隆史に経験者の池谷幸雄。未体験ゾーンとなった16段。ここで飯田が初の成功者に。絶対的自信を持っていた池谷も驚愕させる。17段はこの2人が進出するが共に成功ならず。No.1を分け合う結果に。

第4種目はTHE TUG-OF-WAR。準決勝で清原は藤原喜明と対戦。懸命に引っ張る清原だったが藤原の体を動かすまでに至らず無念の敗退。清原は次回での打倒藤原を誓った。決勝はその藤原の足を滑らせた広沢が勝利した。

第5種目は50M DASH。準決勝は飯田vs佐々木のセ・パ歴代盗塁王対決を制した飯田が勝利。同じく準決勝、武田修宏が後輩の小倉を下して決勝は飯田vs武田による夢のプロ野球vsJリーグの対戦に。結果は記録6秒29で飯田が2種目のNo.1。総合ランキングは内藤が暫定トップ。

第6種目はTHE FINAL PUSH-UP。前回最高記録の211回を池谷と佐竹、そして秋田豊の3人が突破。誰一人落ちる事無く回数が重ねられ300回到達で競技終了。但し、当時のルール上、両手両足を広げたフォームと腕の可動範囲が問われなかった為、放送後に一部試技に疑念の声が視聴者から寄せられた。これが翌年、競技台と両肩のセンサーが設置されたQUICK MUSCLE誕生に繋がる。

最終種目を残しての総合ランキングは秋田が暫定総合8位から2位にジャンプアップ。腕立てで100回を超えた小倉と武田もそれぞれ1位と4位タイに浮上し、サッカー勢が巻き返した。最終種目はスピード系のBEACH FLAGS。50M DASHを制した飯田は4位タイにつける。

BEACH FLAGS。総合トップを走る小倉は圧倒的速さを見せながら旗を取り損ねて1回戦敗退。準々決勝で秋田、準決勝で武田が脱落となり、決勝は飯田と暫定総合9位から一発逆転を狙う池谷の対戦。池谷が立ち上がりで優位だったが飯田がダイブで旗をかすめ取った。日頃の好プレーで活かされているヘッドスライディングで会心の勝利を決めた。

制作側から番組の主役としてキャスティングされた清原は同じくパワー系種目で活躍した広沢と並ぶ総合8位タイ。POWER FORCEのNo.1等で一時、暫定トップだった内藤は後半2種目で失速して総合6位。BEACH FLAGSで順位を上げた池谷は総合5位で大会を終えた。

キャスティングに最も時間を要したとされる小倉はHORSE BOXの15段成功等、各種目でポイントを稼ぐが、暫定総合1位で迎えたBEACH FLAGSでよもやの初戦敗退で総合5位。人数合わせでの出場だった秋田はチャンスを活かして総合4位。50M DASHの2位、THE FINAL PUSH-UPの4位、BEACH FLAGSの3位と後半3種目連続で上位の武田は総合2位に入った。

総合No.1に輝いたのは飯田はHORSE BOX、50M DASH、BEACH FLAGSの3種目制覇。それまでプロ野球ファンの間でしか知られなかった選手から一躍、知名度は全国区に。今後、この番組を機に多くのアスリートがブレイクの機を掴む事になる。この大会が元日恒例となるプロスポーツマン大会最初の大会にして、TBS春秋冬改編期の名物番組、スポーツマンNo.1決定戦の始まりであった。